【散文詩】コくバんケし −2−


=哀染(かなしみ)クンの奔走=


哀染クンは探しはじめた

自分を消す黒板消しを・・・

「この時代にないものなど無い」

とつぶやきながら・・・



哀染クンはネット検索を始めた

それっぽいキーワードを入れながら・・・



哀染クンは観つぶした

現れるサイトを片っ端から・・・



哀染クンは必死だった

自分を消すことに必死だった



哀染クンは思った

「自分を消す」ことと「必死」って同じことだよな・・・
オレは何を言ってるんだ???と



哀染クンは分かった

「自分を消すモノ」はたくさんある

だけど、

「生きた証を消せるモノ」は無い・・・と



哀染クンの脳裏にある思いがよぎった

「ささやかだけど、
 オレにも存在証明があるのか???」

「ってことは
 オレにも存在意義がアルってことか???」



哀染クンを不思議な感覚が包んだ

オレがもし黒板に書かれた文字だったら
セツないなぁ・・・

あっという間にいっぺんに消されちゃうし・・・

逆に、隅っこが消し忘れられるかもしれない



今のオレもセツないけど、
黒板の文字は
もっとセツないなぁ・・・



・・・とはいえ

もう少し調べてみるかな?



つづく・・・