昨日の続き。


まず最初に聞いた。
「今も宙返りはできるかい?」と。
「たぶんできるよ、だけど腰をいためててね」と言っていた。
たいしたもんだ!と思った。
多分、俺も宙返りは無理としても、バク転ならきっとできると思うが。


さて今、彼は埼玉の地元の町役場で公務員をやっている。
「ちゃっしゃな町の公務員なんてやるもんじゃないよ」と言っていた。
「やったって給料が増えるわけじゃないから、やる気のあるヤツなんていないよ」と。


そんなもんなのかな?と思った。
「まあ、ある意味割り切ってやんないとやってけないな」とも言った。
「もしかして、お前も本音で話せるヤツがいないんだろ」と言ったら
「その通りだよ」と答えた。


そして「あと5年くらいで辞めよっかな」と言った。
「辞めてどうするの?」と聞いたら、
「家のことをやる」とのこと。


今回初めて聞いたのだが、彼の家は「寺」だったのである。
そういえば、大学を休学して修行に出た話を以前していたのを思い出した。
僧侶になるというわけだ。


そういう意味では、
彼は若いうちから、いずれ歩むだろうその道のことを考えていたのである。


僧侶になるだろう彼に聞いた。
「人間、何のために働くのか?」と。
するとこう答えた。
「自分のやりたいことをするためには、
 結局カネが必要なんだから、そのために働くんだよ」。
まあ、もっともな答えである。
だけど、そういう答えは俺には物足りないんだよな。


続けて聞いた。
「では、何のために生きるのか?」と。
すると、
「何のためでもないよ、意味を考えるよりも
 宿命とか運命とかを考えて生きていけばいいのさ」と答えた。


なるほど、その言葉を心で感じよう、そう思った。