尾崎豊は生前、「幻の少年」というタイトルで小説を書いていた。
それは未完のままだったが、後に残された原稿が本となって出版された。


彼の死後、発刊されたいわゆるオザキ本によれば、
彼はこの小説を完成させ、映画化することを考えていたそうだ。
      

幻の少年

幻の少年

「幻の少年」というタイトル、尾崎らしいといえば尾崎らしい。


イイか悪いかは別にして、尾崎豊を基準に物事を考えていると、
なんとなく、少年の心のままでいる自分を感じる。


ある種、思春期のモラトリアムのまま、
俺はピーターパン・シンドロームかもしれない、
つまり大人になりきれてないかもって思うことがよくある。


だって、彼が10代後半から20代前半にかけて作った作品たちを
30代後半になった今でも好んで聴いているんだからな。


それだけ、彼が大人びた詩を書いていたといえるのだけど、
きっと彼には、まだ見えていない世界もあったことだろう。


だから、彼はすべてを言い切ったわけではない。
自分が日々過ごしていく中で、彼が歌に出来なかった世界に遭遇したとき、
自分でその答えを出さねばならん。


代弁者はもういないのだから